あなたの知らない日タイ関係 仲良しさが良くわかるエピソード│タイ政治経済


Posted on Dec 29, 2016



こんにちは。
もう少しで2017年になります。2017年は日本外務省曰く、日本タイ修好130周年だそうです。
タイは日本が明治維新で鎖国を終え、国際社会の一員に戻った時、国交を結んだ5番目の国だそうです。
そんな節目の年なので、少し日本とタイの関係を「仲良しさが良くわかるエピソード」で振り返って見たいと思います。
話のネタにもなるので、頭の片隅にでも置いておいてください。

タイ法律の下地は実は日本人が作り上げていた!?


エピソード1:タイの近代法の父 政尾 藤吉

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日本とタイが国交を結んだ時代(1887年)のお話です。
当時は、西洋の列強がアジアの植民地にしており、アジアで独立していた国は、日本とタイしかありませんでした。日本は、黒船が来航したり、不平等条約を結ばされたりと大変な時代でした。
同じくタイも、西にイギリスの勢力圏(植民地)があり、西にフランスの勢力圏がありました。

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出典:外山智一さんのTwitter画像より

そんな時代ですから、タイを統治していたラマ5世も近代化をする必要がありました。近代化の中で最も大事なことは、法律を作ることです。
そんな時に現れたのが、日本人の政尾 藤吉だったのです。

政尾藤吉は、江戸時代に日本で生まれ、苦労をしながらもアメリカの大学を卒業し、アメリカ全土で通用する弁護士免許を取得します。ただ、取得した直後にアメリカで日本人を廃絶する運動が起こり、日本に帰国することとなります。

当時のタイは近代化のため、多くの外国人を顧問としてタイに招聘をしていました。日本にも法制度を充実させるため、アドバイザーの紹介を依頼しました。外務省が白羽の矢を立てたのが、アメリカの大学を卒業し、連邦弁護士の資格を持っている政尾だったのです。

最初はベルギー人アドバイザー補佐として赴任をしますが、わずか2ヶ月で刑法・社会法の草案を作ります。これには、ラマ5世も驚き主任顧問に抜擢されました。
この後、政尾は5年間かけて、多くのタイ法律の充実に努めます。タイ王室からも活躍が評価され、勲章をもらい5年の間に長老司法顧問にまでなってしまいます。最終的には、タイでの貴族待遇を受ける位までなりました。

この後、政尾は日本に帰国することとなり、政治家となります。
5年後、政尾は外交官としてタイに戻ってくることとなりますが、赴任後1年少しで病気のためタイで亡くなりました。

この際の葬儀では、すべて皇族と同じ待遇で実施されたそうです。今でも、「政尾 藤吉」は近代タイ法の父ということでタイの教科書に載っています。
詳しくは、こちらのページで説明されています。(Link: 政尾藤吉ってどんな人?

 

タイの食べ物の名前にもなった、日本の天皇との秘話


エピソード2:日本の皇室

日本でもプミポン国王の死去については大きく報道をされ、日本人の中にもタイ王室について良い印象を持たれている方も多いかと思われます。
同時に日本の皇室もタイの人々にとって、とても愛されていることはご存知ですか?

天皇陛下ですが、実は魚類学者としても国際的な有名で、タイの方々には「プラー・ニン」のストーリーとして大変有名です。

ティラピア こちらがプラーニン(ティラピア)

「プラー・ニン」とは国際的には「ティラピア」という名前で世界中に流通しています。このティラピアにはタンパクが多く含まれていため、食糧難の時代にはとても重宝される魚です。

戦後、当時皇太子だった今上陛下がタイに訪れられた時に、プミポン国王よりタイの人々がタンパク不足に苦しんでいるということを耳にされました。その時に、日本の戦後食料難を乗り切った経験を活かし「ティラピア」を養殖することをご提案されたのです。

日本にご帰国された天皇陛下は、日本で育てられていたティラピアを50匹、タイに寄贈されました。プミポン国王は陛下のお言葉を信じ、宮殿の池で飼育されたそうです。

もともと繁殖能力の高いティラピアはすぐに数を増やし、多くの国民の元に届けられたそうです。その結果として、タイはなんとか栄養失調をしのぐことができました。
その後も、食用に養殖され、現在でも多くの方に食べられるタイを代表する魚となったのです。

ティラピアはタイでは「プラー・ニン」という名前で親しまれています。タイ語で「プラー」は魚を意味し、「ニン(漢字では仁)」は陛下の名前である「明仁」からとったものです。つまり、タイ語では「今上天皇の魚」という意味になります。
この名前はタイの国民発祥のもので、国王が命名したものではありません。日本の天皇陛下から寄贈されたストーリーと感謝の意味を込めて、国民から言われるようになったものです。
いかに、タイ国民に陛下が日本の皇室が親しまれているかということを表しているような気がします。
詳しくは、こちらのページで説明されています。(Link: 天皇陛下がタイ国民に愛される理由

 

 

日タイ交流も来年で130周年。より仲の良い関係性を築きましょう!


日本タイ修好130年になる2017年、もっとタイのことを知ってもらえるように、様々な情報を発信していきます。グローバルものさしは毎週木曜日に更新をしていますので、見てもらえると幸いです。
それでは、良いお年をお迎えください。
また、来週!!

 

 

 

 

 

 


 


「グローバルものさし」は、ASEAN就職を有利に進めていただくため、感覚的な説明ではなく、データなどの根拠をもとに、ASEANの本当の姿を見ていただくため執筆しています。

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毎週 木曜日に更新しておりますので、是非、ご一読頂けますと幸いです。

この「グローバルものさし」を執筆している多田 大樹のプロフィールはこちらから。

 

 


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