タイの大学のグローバルランキングin2016│タイ政治/経済


Posted on Jan 4, 2017



みなさんこんにちは。今回のグローバルものさしでは、前回にお話をしていた通り、大学の世界ランキングについて見ていきましょう。\n\n大学ランキングの指標としては様々なものがありますが、今回はTimes Higher Educationの発表した世界大学ランキング2016を引用します。研究力・社会貢献・国際性・教育力などの指標を用い、1000万近いデータベースから総合的に算出されたものです偏差値などに関しては、学部によって良い悪いが現れてしまいますので今回は使用しませんでした。\n

世界大学ランキング2016

\nまずは、世界ランキングを見ていきましょう。テレビなどで良く聞く名前が列挙されています。驚くことに、ほとんどがアメリカの大学となっています。アメリカ17校、イギリス2校、スイスが1校です。\n\n[table id=18 /]\n\nその後、アメリカ・イギリス・スイス・ドイツによって、上位を占めてしまいますので、ASEAN圏の国々と比較のための日本の大学のみでグローバルランキングTOP1,000にランクインした学校をまとめてみました。日本の大学に関しては、70校近くがランクインしていたのですが恣意的に掲載を絞らせていただきました。\n\n[table id=23 /]\n\nアジアで最高の大学はシンガポールで、日本の東大は2番に甘んじてしまっています。そこから、大きく遅れることタイの大学は500位でMahidol大学ということでした。実はTOP1,000に入った学校を国の数で言うと、日本69校、タイ8校、マレーシア7校、シンガポール・インドネシア2校、フィリピン1校となりました。日本の教育水準は圧倒的に高いですが、シンガポール・マレーシアの教育水準の高さにも驚かされます。\n\n表の大きさの関係で、出身校の名前が出なかった方々、申し訳ございません。下のリンクに1,000校全ての名前が載っていますので、確認してみてください。\n\nWorld University Ranking 2016-2017\n\n今までASEANのTOP3と言えば、シンガポールの2校とマレーシアでしたが最近は順番も変わってきているようです。ついにタイの大学がASEAN TOP3の1角を占めました。さらに、今まではASEAN TOP10の内タイはMahidol大学とChulalongkorn大学の2校だけでしたが、TOP10の内5校はタイの大学が占めます。\n

アメリカと東南アジアの大学を比べてみる

\nアメリカの大学はTOP1,000の中に148校もランクインしています。この点に関しては、がっくりする必要はありません。アメリカの人口は3.2億人に対して日本の人口は1.2億人です。人口比率で言うと、日本の教育水準の方が高いとも言えます。\n\nただ、ポイントの日本の最高学府と呼ばれる東大ですら、世界ランキングの39位となってしまいます。タイの場合は500位、マレーシアは600位となります。やはり、この点と見ると、優秀な人はアメリカで教育を受けなければならないと言う風潮になり、優秀な人間が流出してしまうことになります。(本当に優秀な人は、場所を選ばないのかも知れませんが!!)\n\nアメリカの大学の総合点だけではなく、詳細なスコアも見てみました。大学によってばらつきが大きい印象です。ただ、TOP20にある大学の全てに言えることは、引用されている学術論文の発表が非常に多いと言うことでした。2012年のデータですがアメリカは日本の5倍近くの論文を毎年発表しております。この学術論文の発表数は、アメリカ・西欧・東欧は多く、アジアではまだまだ多くありません。これらの差が学術論文の引用数の項目に多くの影響を与え、総合点を著しく下げる結果となっていました。\n

タイとマレーシアを比較する

\nTOP1,000の中にランクインした大学の数がほぼ一緒である、タイとマレーシアを比較してみました。タイのTOP8校の在学生の数は298,000人のに対し、マレーシアのTOP7校で学ぶ学生数は169,000人です。TOP1,000にランクインしている学校数は1校しか変わりませんが、1校1校の在籍数が大きく違うため、大きな開きが出てきました。\n\nまた、面白いことに留学生の比率を見てみると、タイの平均は約2%であるのに対し、マレーシアは20%弱ありました。マレーシアの大学はより多くの国際留学生を受け入れていることがわかりました。日本でも平均すると5%くらいはありますので、タイの数字がいかに少ないかがわかります。\n\nタイの場合、歴史的にも植民地になったことや、占領をされたことがないので、西洋諸国との繋がりが強くないことが原因かも知れません。経済的にもタイ国内に海外から産業が入ってくるので、海外との接点をあまり必要としていないのかも知れません。\n

ASEAN諸国の大学はなぜ世界ランキング上位に入り込めない?

\n日本もそうですが、ASEAN諸国は世界ランキングの上位になかなか入り込めていません。理由の一つとして挙げられるものが論文の数となります。ASEAN域内では、タイとマレーシアが優秀な教育機関も持っており、毎年順位が入れ替わる程の急成長ぶりです。タイには人口というメリットがありますし、マレーシアには交換留学生による相乗効果が期待できます。今後も気になるランキングではあります。\n\nタイ国内においても、優秀と言われる大学の名前をたくさん聞きます。ここに出てこなかった大学でも、タイの最優秀大学として言われることもあります。大学ランキングについてですが、指標となる基準は様々あります。学部によっても異なってきます。ランキング一つでは真実とは言えないですが、話のネタにもなります。参考程度に見てもらえればと思います。\n\nでは、また来週!!

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