食事と国民性と食料自給率でASEAN比較 前編│タイ政治経済


Posted on Jan 26, 2017



みなさん、こんにちは。アデコの多田です。
毎日、様々東南アジアで就職を希望される方とお話をさせて頂いておりますが、海外就業を希望理由される理由を伺うと、意外にも「食事が体に合う」と答えられる方が多いです。

タイを始めASEAN諸国、インド、中国と行った国は地理的にも近いとだけでもなく、食事が口に合うことが多いと言われます。それもそのはず、それらの国はコメを主食としている国々です。
下の表は世界の主たる作物を色分けしたものです。緯度が高い位置にある国のほとんどが小麦(青色)を主食としている中、ASEAN、インド、中国、日本だけがコメ(赤色)で綺麗にまとまっています。今日はそんな主食としている穀物と食料自給率についてのお話です。
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主食とされる穀物による文化的な違い


上の表からも見てわかるように、ヨーロッパや北アメリカ、西アジア、ヨーロッパ人の植民地を起源とする文化ではパン食を主とすることからも、小麦・大麦の作付けられている比率が高いですね。

コメは西アジアを除くアジア諸国で主食として作付けられています。東側の境界線は日本で、西側の境界線はインドで、西に行くほど小麦が食べられる割合が高くなってくるそうです。北側の境界線は中国で、中国を2分するように北側では麦が食され、南側ではコメが食されます。面積的には、それほど多い訳でもないのですが、中国・インド・インドネシア・パキスタン・日本など人口の多い国が占め、これらの国だけでも32億人以上の人々がコメを主食としており、全体では世界中の人口の半分がコメを主食としています。

トウモロコシは中南米に多く、ヨーロッパ人が大航海時代に入植した時代に、栄養素が高いことより作付けがされたという歴史的背景があります。トウモロコシのように歴史的な経緯から主食になったケースもありますが、多くの場合は単純に気候による理由が大きいです。麦類は寒い地域でしか栽培できないので、赤道の近い国では栽培できません。

諸説ありますが、主食がコメなのか麦なのかの違いが人々の考え方にも影響を与えていると言われています。コメを主食としている地域の人々の方が、小麦を生産している地域の人々よりも協力的で地域主義的な傾向が強いとらしいです。原因は生産工程に起因するもので、麦の栽培期間は比較的短く、農家が個人で作付けから収穫までできるのですが、コメの場合は共同で用水路やため池などを管理する必要があり、農家同士の共同作業が増えることがあるようです。結果的にコメ社会の文化は集団主義的な性質になり、麦社会の文化では個人主義的な傾向になるようです。

本当かどうかはわかりませんが、ご興味ある方はこちらから内容をご覧ください。(翻訳されたものが見つからなかったので、原文の紹介となります。)
NATIONAL GEOGRAFICSのページはこちら。

食文化が近いと、人々の考え方も近くなるので、移住先として人気が出てくるのでしょうか。日本もタイもコメ文化ではありますが、人々の気質は大きく違うようにも感じますが・・・

タイ人の性格と食


私が現在タイに住んでいますが、タイの方々は朗らかでのんびりされている方が多いと感じます。温暖な気候であるタイでは、昔から食料が多く一生懸命働かなくても、周りに多くの果物や野菜があるので、のんびりするようになったと言われているようです。

タイに住んでいる方には有名なお話ですが、タイの方々はあまり貯金をしません。ボーナスが出ると、みんなで出かけ、すぐにボーナスを使い果たしてしまいます。貯金ばかりしていて、倹約が生活指針となっている日本とは真逆ですね。冬がなく年中温暖であるタイでは、何かに備えるということはあまり意識されることはありません。季節の変化がなく、毎日が同じように過ぎていきます。逆に日本などの寒い地域では厳しい冬に備えて、何ヶ月の前から準備します。準備が不十分な場合は死に直結するからです。
そうした気候と食に関する危機意識の低さが、タイ人の「マイペンライ」(気にしない)精神に影響しています。

同時に危機意識やリスク管理といったことも苦手な傾向にあります。発生した問題を解決することばかりに気を取られていて、将来先に発生する問題には気が付かないことが多いです。

主食とされている穀物が違うだけで、考え方が違うかも知れないのに、更には同じコメ文化の中でも違いがあるのも興味深いですね。
食生活の違いによって、価値観の違いが発生するだけでなく、体の遺伝的な理由から特徴が変わってくることもあります。(肉食が多い文化の方が体臭が強いなど。)

国選びに迷ったなら、ぜひAdeccoにご連絡ください!!


日本人とタイ人は同じ仏教の国というつながりはありますが、考え方には大きな違いがあるように思います。ただ、日本人とタイ人でうまく補完し合って行くことができるのも事実。世界の中でも少し根暗気味である日本人は、少しタイ人の楽観主義を見習うべきところがあるかも知れません。皆さんも、海外就職をする際は一つの価値観から就職先を探すのではなく、総合的な知識から選ぶようにしましょう。せっかく頑張って海外就職を実現したのに、少しのことが合わず残念ながら帰国をされる方も多くいらっしゃいます。

どの国がいいか悩んでいらっしゃる方は、一度ご相談ください。
各国の食事情(食料自給率)の比較は来週からとなりますので、乞うご期待ください!
では、また来週!!




「グローバルものさし」は、ASEAN就職を有利に進めていただくため、感覚的な説明ではなく、データなどの根拠をもとに、ASEANの本当の姿を見ていただくため執筆しています。

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