活気あふれるタイ、その源泉は失業率の低さ?|タイ政治経済


Posted on Sep 29, 2016



こんにちは、最近季節の変わり目なのか体調を崩してしまいました。日本のような四季に応じて気温が大きく変わることはありませんが、雨に濡れてしまった体を放置しておくと、すぐに風邪をひいてしまいます。みなさんも、気をつけてくださいね!!

タイの失業率は世界で2番目に低い!


先日、新規進出の企業の人事担当者の方とお話をしていた際に、タイの失業率について話をする機会がありました。タイと日本とで大きく異なる事情なので、是非お伝えしたいと思い記事にさせていただきました。

タイ失業率について、みなさんはどれくらいご存知でしょうか?タイの就業率は世界的に見ても非常に優秀で、なんと世界ランキングで2位にランクインしています!!タイの失業率は、ILO(International Labor Organization)によると、0.7%とほぼ完全雇用が実現している状態です。完全雇用とは、国によりそれぞれ定義が違いますが、日本の場合、失業率が4%±0.3%の状態を完全雇用と言うようです。ちなみに日本の失業率 はILO基準では4.3%とのことで、概ね完全雇用が実現されているということですね。


失業率とは
失業を測る尺度で、労働力人口に対する失業者数の割合で定義されます。
失業者の定義は各国によって異なりますが、日本の失業者の定義は
「働く意思と能力があるのに仕事に就けない状態にある人」を指します。



日本が4.3%の失業率で、採用の現場では求職者が少ないことによる採用難が続いています。そんな中タイでは1%を切る状態が長く続いています。同じASEANの強国であるマレーシアの失業率は3.1%ですし、タイでは人材不足にも程があるといったところでしょうか。ちなみにこの統計は、ローカルの人向けの数字なので、日本人求職者の場合、この通りではないのでご注意ください。むしろ、バンコクの場合、職を探している日本人の増加率が大変高いので、人材不足とは逆方向に進んでいます。(今日はタイの雰囲気をつかんでいただくことが主眼にあるのでご了承ください。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

失業率/ILO基準 タイ 日本 マレーシア 世界平均
世界ランキング 2位 39位 15位 -
失業率 0.70% 4.30% 3.10% 8.70%


(参照:International Labor Organization 2015年)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイの失業率が低い理由とは!?


タイの失業率は非常に低いということはわかりました。さて、次に気になるのが「なぜ」低いのかということです。この10年間での成長率には目を引くものがありますが、日本の高度経済成長期でもここまで失業率は低くなかったようです。タイには特筆すべき何かがきっとあるに違いないと思います。

ここでILOの資料を見ていたところ、気になるデータを見つけました。タイの自営業率は世界の中でも7番目に高い56%を記録しています。つまり、失業してしまった場合、自分でビジネスを始めることが容易にできるということです。データから見ると半分の割合で自営業ということです。私の知り合いでも、ビジネスオーナーと名乗る人がとても多いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自営業率/ILO基準 タイ 日本 マレーシア 世界平均
世界ランキング 7位 71位 39位 -
自営業率 56.00% 11.90% 23.40% 26.18%


(参照:International Labor Organization 2015年)

街を歩いていて気付くことは小売業をしている人が多いことに気がつくと思います。日本では、大きなショッピングモールが原因でシャッター商店街が増えていることが問題となっていますが、タイではまだ大きな勝ち馬はいないようです。確かに大きなショッピングモールも多いですが、高級品を扱うショッピングモールと日用品を扱う小売店とで上手く分業しているようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先行きの不安がないこと」は活気を作る


失業率が低いことは、失業率が高いよりも間違いなく良いことですし、仕事があり生産活動ができることは、経済を成長させる原動力となります。そもそも、仕事はタイに溢れていますし、失業をしたとしても自営をするという道もあることを考えると、先行きにあまり不安はあまりないのではないでしょうか。

もともと、タイの人の国民性は貯蓄をしないことで有名です。常夏の国なので、いつでも食料を採集することができるので、貯蓄するという文化が歴史的にもないということが良く言われます。現在においても、仕事は溢れていて、失業をしても自営業で稼ぐことができる環境があるので貯蓄をせず、投資や消費をする環境にあります。投資や消費は経済活動の基本的な原動力となるので、自営業という「もしものプラン」があることは経済発展に寄与しているのでないでしょうか。

データで表せるものではありませんが、自営業で自分の働きたい時に働くということは、人々を幸福にし、笑顔や活気につながるのかも知れませんね。

 


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