タイの伝統工芸を知るならBANGSAI ARTS AND CRAFTS CENTRE|デート/レジャー


Posted on Sep 29, 2016



アユタヤのすぐ近くに、タイの伝統工芸品の製作過程を見学出来る施設があります。この施設はタイのシリキット王妃が農村地域の雇用創出と伝統工芸の伝承のために尽力され作られた国立施設です。観光地でありながら職業訓練所としての役割を果たしている、BANGSAI ARTS AND CRAFTS CENTREを見学してきました。

タイの伝統継承プロジェクト


タイには伝統を継承する工芸師を育成するための「SUPPORT基金」というプログラムがあります。これはシリキット王妃が農村部の貧しい人々の生活を目の当たりにし、彼らに生活の糧を提供する、伝統工芸を守るという2つの目的を達成するために立ち上げられたものです。プログラムは申し込みをした訓練生に伝統工芸の訓練の場を提供しています。これに参加すると訓練生は自ら選んだ手工芸の訓練を受ける間、手当てや食事、住居の補助を国から受けることが出来ます。訓練の期間は手工芸によって違い、例えば刺繍や造花の製作であれば2-3ヶ月、ニエロ細工という貴金属の加工であれば3年にも渡ります。コース終了時には最も優秀な訓練生が次の指導者になるように言われ、次の世代へと技術が確実に受け継がれるようにしています。

BANGSAI ARTS AND CRAFTS CENTREはこのSUPPORT基金プログラムの一環で1980年に設立されました。現在は500人の訓練生が所属し、タイのお面や伝統衣装など30のコースに分かれて訓練を受けています。既に18000人の卒業生を送り出し、現在もお土産ショップで卒業生の製品を販売しています。

 

施設の中はどうなっているの?


BANGSAI ARTS AND CRAFTS CENTREは4万㎡という広大な敷地にあります。中央に並んでいるのが各工芸品のトレーニングセンターです。近くで見学をしながら、訓練生や指導の先生に話しかけることが出来ます。その他にも、タイの4大地方の伝統 家屋、工芸・民芸品などを展示するビレッジ、淡水魚水族館、ニコバル ハトやグリーンマグピーなど 30 種類以 上の希少鳥類が生息するバードパークがあります。

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 課題を解決する仕組みづくり


施設で工芸師を育成し、育てられた工芸師がまた後輩に技を伝えていく。卒業すると自分の作品を商品として施設に置いてお金を稼ぐ。そのサイクルでこの施設は伝統工芸の継承と農村地域の雇用創出という課題解決に向き合っていました。この二つはどちらも難しい課題ですが、一過性のアプローチではなく確実に継続していける長期的な仕組みとして国がこのプロジェクトに取り組んでいることが興味深かったです。この施設を訪れると伝統工芸品の作られる過程を見ることが出来ると同時に、人から人へ技が受け継がれる瞬間にも間近で立ち会うことが出来ます。アユタヤの近くにありますので、ふらっと寄られてみてはいかがでしょうか。

 

 

基本情報


【Bangsai Arts and Crafts Centre】
場所:59 moo 4, T. Changyai, Bang sai District, Ayutthaya 13290 Thailand
営業時間:平日 8:30 - 17:00,  土日祝日 8:30 - 18:00
入場料:大人 100THB, 子ども 50THB
*入場料は正門前で請求されます。
電話:035-366-252
Email:bangsaiarts2011@hotmail.com

 

 

アクセス


バス:バンコク 北バスターミナルからアユタヤ行きに乗りバンパイ下車。ミニバスに乗り換え。
電車:バンパイン駅下車、ミニバスに乗り換え。
自動車:ドンムアン空港行きの高速に乗る。

 


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